お寺の未来とイスラムモスク

未来の住職塾フォーラム

3月8日9日と一泊二日で東京へ出かけました。

最初は神谷町にある光明寺さまへ。

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未来の住職塾の卒業生が集まるお寺の未来フォーラム。1年間の学びを終えた4期生の皆さんの代表が寺業計画のプレゼンをしてくださいました。未来の住職塾についてはこちらこちら

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その後、未来の住職塾の塾長松本紹圭さんの挨拶や講師でもある井出悦郎さんの今後のお寺を取り巻く外部環境予測とそれに伴う私たちのあり方についてお話を聞くことができました。

お坊さんの東京ジャーミィ訪問記

翌日は代々木上原にある東京ジャーミィへ。日本にある最大の礼拝所です。礼拝所のことをよくモスクといわれますが、ジャーミィは大勢の人が集まる金曜礼拝のための大きなモスクのことを言うようです。

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未来の住職塾の卒業生から成る住職塾サンガ。サンガメンバーが一堂に会するのがサンガのつどいです。

各地で宗派を超えて志ある人たちが集まるのですから、その熱量は推して知るべしですね。このメンバーでフィールドワークに行くからこその気づきがあったようにも思います。

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東京ジャーミィにて説明をくださったのはSさん。生まれも育ちのも日本のSさんが、イスラムにであったのは学生時代のサークル活動で海外に行き、アフリカ、スーダンにてムスリム(イスラム教徒)の方々のお家に寝泊まりさせてもらったことから。人生何がきっかけとなるか、出会いは様々ですね。

お話を聞いたのは1階のホールだったのですが、金曜礼拝で2階の礼拝所がいっぱいになるとこのホールでも礼拝されるとのこと。正面の壁にくぼみがあります。これはメッカのカーバ神殿の方角を表す目印とのこと。ムスリムの皆さんはただその方角に対して、1日5回の礼拝をします。

このジャーミィはコンクリートと鉄筋以外は全てトルコから持ってきたものであるとのこと。異国情緒溢れる調度品などは納得ですが、座っている椅子や丸机など、家具もタイルも全てとは圧倒されます。

その後いよいよ礼拝所へ。礼拝所へは靴を脱いであがります。女性はここからはスカーフ着用とのこと。(すでに皆さん着用されていましたが)

1歩足を踏み入れるとその荘厳な建築に言葉を失います。色とりどりのステンドグラスやカリグラフィと呼ばれる経典の言葉を描いた文字装飾(イスラム書道とも)に、目を奪われます。

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平等の教え

よく見て見ると床のじゅうたんには横一文字の線が等間隔に並んでいます。礼拝の時には、この線を目印に横一列に肩寄せあって並ぶのだそうです。さきほどホールで聞いた話が甦ります。イスラム教は神の前での絶対的平等を説く教えであると。

SPの付くような要人が東京に寄られた際、礼拝のためにこのジャーミィを訪れました。入ってくるときは縦一列で、セキュリティやおつきの運転手さんなどが後ろについていましたが、礼拝所に入った瞬間、横一列の関係になる。神の前では神と私の一対一の関係であるとSさんは話されました。

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イスラム教ができてまもないころ、奴隷である黒人男性を解放し、その男性はともに礼拝する列の中に加わったというエピソードが語られました。イスラムの教えが世界宗教として大きく広がっていくうえで重要な出来事だったといいます。現在キリスト教徒は22億人。イスラムは16億人。(仏教徒は4億人)先進国は少子高齢化の時代。やがてイスラム教が逆転するかと思われます。

中東の混とんとした状況に質問が及んだときに、Sさんは何とも言えない表情をされました。表面上に見えているものはシーア派とスンニ派の対立に見えるかもしれない。けれどもここに至るまでの背景を見なければ本質を見落としてしまうことがあります。アメリカ(とヨーロッパ)、ロシアの思惑など、大国同士の覇権争いの縮図であること。そもそもネイションステイトと言う意味での国というのは、近代のものであり、ヨーロッパ諸国(イギリス、フランス)に勝手に国境を線引きされたアラブの人たちにとっては、そのおかしな構図の中で資本主義の掲げる(彼らに対して都合のいい)正義に対して、うっ積していた感情がある。そうしたところを丁寧に拾っていかなければ、本質を見落としてしまいかねないのです。このあたりのことはもっと掘り下げて聞いてみたいと思いました。個人的にこういう話大好きです。

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その後は1回にてランチタイム。トルコ料理のビュッフェです。豚肉はもちろんありませんが、他のお肉もきちんとした作法にのっとって処理されたお肉でなければなりません。この許可された食品をハラールというそうです。異文化理解の基本は食事から。五感の全てから感じることが大切です。とはいえ様々な地域に開かれているイスラムの教えならではで、カレーなどのインドやパキスタンの料理なども今度は挑戦してみたいですね。

ムスリムの喜び

最後に僧侶の一人からSさんに質問がありました。ムスリムでよかったと感じることは?Sさんは言います。先進国で共同体の崩壊が言われるが、ムスリムは皆兄弟のような感覚がある。礼拝の後、ともに握手をして分かち合うなかで親密な濃い関係性が芽生える。こうした輪の中にいられることで満たされるものがあるとのことでした。

資本主義国家は助け合いとは言うものの安保法制など、互いの利害や金目が透けて見えます。ムスリムはアフガニスタンのムスリムの危機には、インドネシアやアフリカから義勇兵が志願してやってきます。そこまでできるのは同じ神を仰ぐ兄弟の痛みを我が痛みとできるからでしょう。学ぶところの大きいワークとなりました。

名古屋にも大きなモスクがあります。東京でいただいた刺激を持ち帰り、地元でより深めていきたいと思います。